CAT GETTING OUT OF A BAG

What the tester is thinking.

判断に迷うときは「NG」にする

普段、わたしが心がけていることの1つに『判断に迷うときは「NG」にする』があります。目の前のふるまいが正しいのか間違っているのか判断に迷うとき、いったん「NG」にしてチームのみんなに問うのです。*1

例えば「これまで何年間もそのテストはPassし続けてるけど、いま触ってみたらなんとなくおかしい感じがする(でもずっとPassしてるんだよな…)」とか「すこし気になるけど、こう動くのはおそらく正しいのだろうなぁ」とか「こんな操作、お客さまは絶対にしないのは自分でもわかってる。わかってるけどわかったうえでこんなにひどいことをしました、とプログラマーに告白するのはいささか気が引けるな(どうしよう)」のようなもの。頭の中に「おそらく」「きっと」「多分」「〜だろう」のような確実さの度合いをあらわす副詞が浮かんだら、正しいほうではなく間違っているほうに倒します。

また、判断に迷う以前の行動として「いま自分は間違っている理由ではなく正しい理由を探そうとしている」ことに気づいたら(ちょっと気をつけなさいよ)と自分に言い聞かせます。あとこれはわたしだけかもしれませんが、脳が疲れてくると「正しいことにしたい気持ち」が若干強くなるような気がするので、疲れを感じたら休むか、そのときはあえて判断しないようにしています。

今ではこうすることに慣れてしまったのですが、NGにしたものがNGでなかったとき(正しいふるまいだったとき*2)は、自分のせいでチームの人たちに迷惑をかけてしまった、みんなの貴重な時間を奪ってしまったと申し訳なく思う気持ちと、自分が無知であることをひけらかしてしまって恥ずかしい気持ちが入り混じりなんとも辛いんですよね。

でもこのときこそ自身の学習の絶好の機会でもあるし*3、あとから問題が発覚して「ああ、あのときのあれはやっぱり間違っていたんだ…」と思うよりずっといいです。

こうすることにしたきっかけはあれかな。数年前、隣のチームのテスターと一緒に(7、8名いた)より良いテストのやりかたについて座談会をしたときに、困っていることや悩みごとを話す中でみんなで決めたんです。判断に迷ったときは「NG」にしようって。

正しいかもしれないことをNGにするのは今でも躊躇するけど、こんな風に「きまり」になっているとぐじぐじしないで「きまりだから言うかー」と思えるのがよいです。気分的にとても楽。みんなで決めたいくつかの「きまり」は小さなカードに印刷して*4事務机の上に置きいつも視界に入るようにしています。

*1:同僚のテスターやプログラマーに話したり、Bugチケットをあげて全員に見てもらうこともあります。

*2:偽陽性とも言いますね

*3:同僚が提起したNGから学習することも多いです。そんなときは「わたしも知らなかったから勉強になったよー、ありがとう」と言います。自分も同僚にそう言われて救われたし、お礼を言ってもらえて嬉しかったから。

*4:パウチしてある。パウチ知らないか…