CAT GETTING OUT OF A BAG

What the tester is thinking.

わたしの周りにいる女性の技術者たち

今から53年前の1969年7月20日(日本時間21日)。アポロ11号の飛行士が人類で初めて月に降り立ちました。自分の誕生日(1969年7月19日)と近いこともあり、アポロ計画、宇宙開発に関するドキュメンタリーを好んで読んだり観たりしています。

A Galaxy of Her Own: Amazing Stories of Women in Space

これは宇宙で活躍する50人の女性の物語が描かれた絵本です。自分が生まれるずっと前から、宇宙開発の現場で活躍していた女性のプログラマーや数学者がいたこと、世界中に何千人もの女性(多種多様な業種、職種)が宇宙飛行に関して重要な役割を果たしてきたことは、同じ技術者としてとても嬉しく、誇らしい気持ちになります。わたしもまだまだやるぞ!と勇気づけられます。そう、53才になっても心が浮き立ってしまうのです。

わたしの周りにいる女性の技術者たち

製品開発(ソフトウェア開発)の仕事に就いて30年以上になりますが、わたしの周りにいる女性の技術者たちも、ひとりひとりにきらめく個性があり、面白くて、柔軟で、優れています。仕事をとおして発せられる彼女たちの言葉、物事に対する細やかさ、注意深さ、緻密さ、発想の豊かさ、鋭さ、大胆さ。それらを目の当たりにしては「素敵だな」「◯◯さんのそういうところが素晴らしいな」と思います。道のりは違うかもしれないけれど、それぞれのミッションに向かって彼女たちと働けることが嬉しいのです。

先月、となりのチームに女性の新入社員が配属され、自分でもよくわからない「特別感のある嬉しさ」を感じました。どんな技術者になってもらいたいかをテーマにお話したとき、彼女に希望をたずねたら「いまはなんでもやってみたいです」と力強い言葉が返ってきたのです。「ああ、とても良いなあ、こんな技術者の卵と一緒に仕事ができるなんて幸せだ」と思いました。

この感情は3年前に別のチームに女性の新入社員が配属されたときも感じました。彼女の場合はプログラマーとしてやっていけるかな…と心配しましたが、今ではすっかりプログラマーです。うまく動いているのに腑に落ちないところがあると、そのままにしないで先輩に教えを乞うのです。一通り教えてもらったけど、それでもまだわからないときに、わかったふりをしない。簡単にはあきらめません。それが彼女の良いところです。

今は育児休暇中の女性の技術者もきっといつか職場に戻ってくると思います。そんな日が来るのを心待ちにしています。彼女は言葉数は少ないですが、周りに流されず、自分の頭でしっかりと考え、ちょっと変わった視点で物事を見ることができます。「あれ?」と疑問に思う力を自然に発揮して、また活躍してくれるはずです。

 

周囲を見渡すと多分に漏れず男性が多い職場ですが(女性比率は10%未満です)入社したときから「これが普通」と違和感もなく何十年も過ごしてきました。でも、わたしが女性の技術者に対して「特別な感情」を持ってしまうのは、もしかしたらどこかで「少数派であるわたしたち」を感じているから、なのかもしれませんね。

わたしはこれまでもこれからも、これをお読みの皆さんや、皆さんの大切な方の役に立つ製品を丁寧に作っていきたい。この1年も無理をしないで自分らしくやっていこうと思います。

ー 53才の誕生日に寄せて ー

 Remember, find your passion in life, whatever it might be. Never lose sight of it and don’t be afraid to tell anyone what it is. Seek out opportunities and grab them wholeheartedly. Don’t shy away from making difficult decisions, and never be scared to ask. You can do anything you set your mind to. Above all, have fun and enjoy all you do, life is too short for anything else.

A Galaxy of Her Own: Amazing Stories of Women in Space (English Edition)Libby Jackson

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