CAT GETTING OUT OF A BAG

What the tester is thinking.

デブサミに行ってきた(1)

目黒の雅叙園で開催されたDevelopers Summit 2020(デブサミ)に行ってきた。今回も大盛況で満員のセッションが多く、人気のセッションでは壁沿いに立ち見も出ていた。どの会場も入場待ちの長い列ができていて大変そうだったが、わたしはお金の力(個人スポンサー)で解決したので快適だった。二日間でいくつかのセッションを聴講した。特に良かったものを数回にわけて書き記しておく。

『起業家的?!エンジニアのススメ』玉川 憲さん(株式会社ソラコム)

玉川さんの講演を聴くのは二回目で、調べたら前回は2016年のデブサミ(SORACOM立ち上げ格闘記)だった。あれから4年たつのか。プロダクトが素晴らしいのは言うまでもないが、多岐の分野において実にさまざまなユースケースが生まれ、モノと繋がり新しいIoTシステムとして人々の役に立っているのが本当に素晴らしい。昨年11月に福岡空港の『ふくや』でご家庭の明太子が無くなる前に自動的にお届けする『ふくやIoT』の動画広告をみて「福岡すごいなwww」と思っていたのだが、これもSORACOMの仕業だったのを知る。

わたしたちが開発してる製品もかなりとても素晴らしいのだが、そういえばSORACOMに感じる「壮大なロマン」のような感情をもってないことに気づく。少なくともいまのわたしの中には無い。いいなあ、羨ましいなと思う。今回の講演のキーワードのひとつは『パッション』だった。玉川さんのそれは「テクノロジー民主化」とのこと。わたしはなんだろうな。開発しているモノ(医療機器)を通して「ひとりでも多くの人たちが健やかで幸せな人生を送れるよう手助けすること」だろうか。普段の開発では具体的な問題を解いていることが多く「世界中の人々の健康と幸せのためにテストしてバグを見つけるのだ!」と燃えあがるような感じでもないんだけど、根底にあるのはそれだと思った。

スピーカーラウンジ(控室)にて

最初の講演からとても良くて頭が疲れてしまったので休むことにした。個人スポンサーはスピーカーラウンジ(控室)が利用できるのだ。美味しいコーヒーとお菓子と電源とWiFiが付いてる。最高である。ジャガード織りのカバーのついた椅子に腰かけてぼーっとしていたら、斜め前のほうに玉川さんが座っているのを見つける。同行者の @m_seki に小声で「玉川さんがいるよ」と伝え、二人で話しに行く。聴講しながらiPadでメモしたものを見せたら喜んでくれた。「どこかに公開するんですか?もし公開したら教えてください。きれいに書いてあるから見たい!」と名刺を差し出す玉川さん。とても嬉しかったのに、自分の描いた絵を見せびらかしている子供のようだ(しかも初対面の人に)と思ったら急に恥ずかしくなった。「たいしたこと書いてないので…」ともじもじしてしまったが、そこに書いてあるのは玉川さんがさっき話した内容である。そういう意味ではないのだが、たいへん誤解をまねく表現だ。これからは気をつけよう。

玉川さんにはこんなことを聞いてみた。「普段仕事しているといろんなことがあって、例えば、嫌なことがあったときはどんな風に気持ちを切り替えるんですか?」

パッションだけでは乗り越えられないときってないのだろうか(きっとあるに違いない)と思ったのだが「ない」みたいだった。もうね、なんて言うかパッションがすごいのだよ、パッションが。それくらいでないと世界を変えることなんてできないのだと納得した。そしてちゃんとわたしのレベルに合わせて「睡眠の時間を十分にとったり、食事もちゃんとして、ストレスを受けにくいようにはしてますよ」とも話してくれた。なんて良い人なんだ…と感激した。

そしてこれが「たいしたこと書いてないので…」のやつである。

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